わかち先生の 行こうぜ!商業

高校商業教員のわかちが、教育観などを徒然なるままに書いていきます。

企業と学校の「職階」に関して思うこと

わかちです!

以前の記事で、学校と一般企業の違いの一例として、職階・組織の序列について紹介しました。

学校に比べて一般企業では、職階が細分化されています。

復習のため、もう一度前回書いた、前職での職階一覧表を載せておきます。

 

理事長

理事・評議員

---------↑経営者↑----------

部長

部長代理

次長

課長

課長代理

課長補佐

---------↑役職者↑----------

主任

一般職員・契約職員・嘱託職員

 

一方、学校現場では、職階が「校長」「教頭」「教諭」「講師(実習助手含む)」くらいしかありません。

どちらが良いかはそれぞれ一長一短なので判断は難しいですが、両方経験したわかちが「ここがヘンだよ!」と思った例を紹介したいと思います。

 

(1)13人しかいない経理経理課だけで課長が5人??

私は学生時代、「部長」「課長」などの肩書を、

「該当の組織におけるトップ」を表すものだと思っていたんですね。

なので、総務・人事・経理などの各課には課長は1人しかいないものだと思っていました。

ところが、私が新卒で入職した法人では、「部長」「課長」などの肩書は職階であり、あくまで職員のランクを表すものでした。

ですから、経理課課長」は、「経理課に唯一存在するトップ」という意味ではなく、「経理課に在籍している「課長」ランクの職員」という意味だったんですね。

ということは、相撲における番付の「大関」みたいなもので、理論上、経理課に課長は複数人いてもいいわけです。

実際に、私が入職した時、経理課には課長が2人いました。

 

…と、それだけなら「まあそんなもんでしょ」で終わる話ですが、問題はここからです。

当時の経理課には、課長の下に「課長代理」が1人、「課長補佐」が2人いました。

さて、一般企業では、「部長」のことを呼ぶときに、当然、「○○部長!」と呼ぶのはご存知かと思いますが、「部長代理」を呼ぶときに、「××部長代理!」と呼ぶことはあまりなく、「××部長!」と呼ぶ慣習があります。

「課長代理」や「課長補佐」も同様で、「○○課長代理!」「○○課長補佐!」と呼んでも間違いではないのですが、慣習的に「○○課長!」と呼ぶこともありました。

経理課には「(本物の)課長」が2人、「課長代理」が1人、「課長補佐」が2人いたので、「課長」 と呼ぶべき上司がなんと5人もいたのです。

経理課は当時13人しかいなかったので、そのうち5人が「課長」と呼ばれていたのは、はじめは少し違和感でした。

(それもすぐ慣れましたけどね…)

 

(2)役職を調べないと電話がかけられない?

(1)でも書いた通り、一般企業では上司のことを「名字+職階名」で呼ぶことが多いです。

「○○部長!」「○○課長!」といった感じですね。

気の知れた間柄であれば、役職についている人も「○○さん」と呼んでもいいと思いますが、私のような(当時)新入職員がそれをすると、失礼に当たります。

経理課の中であれば限られた人数なので、上司の職階を把握するのは特に問題ないのですが、現場にいる人や他部署の職員はすべて職階を覚えるわけにもいきません。

役職名を間違えるのも失礼なので、現場や他部署の職員に電話をかける時には、いちいちその人の職階を調べてから電話をかけていました。(うっかり最近昇進した!って人もいますしね…)たまに一覧表で役職が見つからなくて、電話をかけることをためらったことが何度もあります。なんという無駄な時間でしょう😢

 

一方で、教員の世界は、相手が教務主任であっても、進路指導主事であっても、「○○先生」と呼べば問題ないので、非常に効率的(?)だと思います。

役職名をつけて呼ぶのはあまりにも生産性がない、というので、呼び方をすべて「○○さん」に統一した、という企業もあるみたいですね。 

 

(3)飲み会の費用、校長と講師で同じ金額の負担?

忘年会や新年会、歓送迎会など、社会人になるとなにかと飲み会をする機会がありますが、飲み会にかかった費用負担はどのように配分していますか?

前職では、職階に応じて費用負担割合を変えていました。

当然、上の職階の人のほうが給与が高いので、支払い能力に応じて負担しましょう、という考え方だったんですね。

なので、例えば、部長級は7,000円、課長級は5,000円、若手は3,000円、みたいな形で支払ってもらっていました。

ところが、学校現場に来ると、職階に応じて飲み会の負担金額を変える、という感覚がなくて驚きました。

校長も教頭も、教諭も講師も一律5,000円、といった感じがほとんどです。

でも、考えてみればそうですよね。教員の中では「教諭」の占める割合がほとんどである「なべぶた型組織」では、あまり金額を変えることに意味はありませんから。

とはいえ正直、心の中では「校長と講師じゃ給料全然違うのに、負担金額同じかよ~」と思うこともありますが…😢

 

いかがだったでしょうか?

職階が細分化されている組織と、学校のように職階が細分化されていない組織、

それぞれについて思ったことを紹介してみました。

学校の方も中間管理職を設けようという動きもありますが、東京都などで導入されている主幹教諭制度などは、果たして学校をいい方向に導くことになるんでしょうか…?

今後の動きを見守るしかなさそうです。

 

また次回以降も、学校と企業の違いについていろいろと書いていこうと思います!