わかち先生の 行こうぜ!商業

高校商業教員のわかちが、教育観などを徒然なるままに書いていきます。

わかちの生い立ち(3)

わかちです!

前回に引き続き、私のこれまでの道のりについて書いていこうと思います。

前回は中学生編だったので、今回は高校生編(前半)です。

 

中学校までの普通教科中心の勉強は面白くないと感じた私ですが、

それを吠えているだけでは何も変わりません。

そこで私は、通っていた中高一貫校の後期課程(高校)への進級をやめ、高校受験をすることにしたのです。

「これからはどんどんと情報化社会になる。ネットワークやプログラミングの知識を身に着けてそれを仕事や日々の生活で活かすんだ」との思いから、普通科・商業科とともに情報ビジネス科を併設していた宇和島東高校を受験し、入学することになりました。

こうして中高一貫校の前期課程修了→高校受験→別の高校の情報ビジネス科(商業科)へ進学」という、かなり珍しい進路をたどることになりました。

 

高校に入学した私は、燃えていました。

「英語や数学なんてつまらない教科じゃなく、もっと実践的で役に立つ教科の勉強ができるんだ」と目を輝かせていました。

ところが、私が進んだ学科は「情報ビジネス科」という名称ですが、実はこれは「商業科」の一種です。

「普通の商業科よりも情報処理系の授業が多めの商業科」といったイメージで間違いはないと思います。

「情報ビジネス」といった名称とは裏腹に、1年生の頃は簿記の授業がたくさんあるようなカリキュラムでした。

それを知ったとき、はじめはがっかりしました。「俺はプログラミングがしたいのに、それができるのは2年生からなのか…」と思いました。

しかも、同じ宇和島東高校の商業科出身である父親から、「簿記なんて学んでも面白くないぞ」という話を聞いていたため、「やっぱり商業系じゃなくて工業系の情報科を選ぶべきだったかな」と少し後悔しました。

 

しかし、それは杞憂でした。

高校に入って初めて学んだ簿記は、意外に面白かったのです。

 

そこには、「ただし、摩擦はないものとする」というような、普通教科の勉強にありがちな、現実からかけ離してしまう文言がない世界でした。

むしろ、「現金の帳簿有高と実際残高がズレていたらどうすればよいのか」→(現金過不足)

「ツケを踏み倒されたらどうすればよいのか」→(貸倒引当金

という、不測の事態にも備えられるような、非常に現実的な世界が広がっていました。

 

財産法で計算した当期純利益と、損益法で計算した当期純利益は必ず一致する」

…なんて美しい学問なんだと思いました。

「企業は普段、商品の仕入れる際に現金を逐一払うことはあまりなく、掛け取引のほうがほとんどである」

衝撃でした。俺はこんな常識的なことも知らずに生きてきたのか、と感じました。

「小切手や約束手形の振出・有価証券の購入や売却・借用証書による貸付や借入」

…自分はまだ高校1年生なのに、いっぱしのビジネスマンの勉強をしているようで何とも言えない嬉しさがありました。

 

もともと公民系が得意だったためか、簿記との相性は非常に良く、あっという間にその魅力の虜になりました。

そして、自分の苦手な英語や数学が教科の中心だった中学とは違い、商業高校では自分の好きな簿記が教科の中心でした。

簿記という新たな武器を手に入れた私は、水を得た魚のようでした。

簿記の勉強をすることにより身に着けた考え方や勉強法、ミスをなくす技術や集中力などは、明らかに他の教科の勉強にも影響し、正の転移を与えていました。

こうして、情報系の勉強をするために進んだ商業科で簿記と出会い、その魅力にハマったのは偶然ではありますが、うれしい誤算でした。

授業もロクに聞かず、宿題の提出もままならなかった中学生時代の自分は別人であったかのように、学習に対して非常に真面目に取り組むようになりました。

成長した私は、模試でも、もともと通っていた中高一貫校の同級生のトップ層にも引けを取らない成績を収めるようになっていました。

高校入学当初、大学進学をするつもりはありませんでしたが、次第に、「この面白い商業の勉強を大学に入っても続けたい!」と思うようになりました。

 

さて、今回の記事はここまでです!

次回、わかちの高校生編(後半)を書いていこうと思います!