わかち先生の 行こうぜ!商業

高校商業教員のわかちが、教育観などを徒然なるままに書いていきます。

図書カードを購入した時、あなたならどう仕訳しますか?

わかちです!

 

私は大学卒業後2年間、学校法人の経理部職員として働いていました。

高校・大学で簿記・会計を学んでいたため、学習簿記(会計理論上の処理)と、実務上の処理との違いに戸惑いながらも、おもしろいなと感じることも多々ありました。

そこで今回は、学習簿記と(会計理論上の処理)と、実務上の処理との間での異なる点について、例を挙げて紹介したいと思います。

 

さて、いきなりですが、問題です。

「図書カード¥1,000分を購入し、代金は現金で支払った」

この取引を仕訳すると、どのような仕訳になると思いますか?

 

「ん?図書カード?

図書カードを購入する仕訳は高校の簿記の教科書に出てきたことはないな…

でも、図書カードは特定のお店で商品と交換できるものだから、「商品券」とほぼ同じ性質を持っているはずだよな。

だとすれば、商品券を購入したと同じように扱うから、「他店商品券」勘定を使えばいいんじゃないか?」

私は実務で初めてこの取引に遭遇した際、このように考えました。

 

図書カードを購入したら、

(借)他店商品券 ×××  (貸)現金など ×××

このように仕訳すると考える方が多いのではないでしょうか。

 

しかし、前職での実務は違いました。

図書カードを購入したら、なんと「仮払金」にしていたのです。

その理由は、「購入しただけで、何に使用する図書カードなのか確定していないから。

そのため、図書カードを使用したタイミングで仮払金を費用の勘定に振り替える、という処理をしていました。

 

分かりやすく整理すると、

〈図書カード購入時〉 (借)仮払金 ×××  (貸)現金など ×××

〈図書カード使用時〉 (借)雑費など ××× (貸)仮払金 ×××

このような流れの仕訳になります。

最初は、「図書カード」という現物の資産があるにもかかわらず、現物資産の存在を想起させない「仮払金」勘定を使うのにどうも違和感がありましたが…

しだいに、まあこんなもんか、と思うようになりました。

慣れって怖いです。

 

図書カード購入の事例が一番面白いなと思ったので例として挙げさせていただきましたが、実は、学校会計実務においては「仮払金」勘定を多用します。

高校生の時に学んだ学習簿記・企業会計とは「仮払金」の感覚が違うな、と思ったものです。

非常に興味深いので多くの方に知ってもらいたいのですが、生徒にこの話をすると混乱するのが目に見えているので、生徒の前で話すのは我慢しているわかちです…😢

 

さて、次回以降の記事では、学習簿記・企業会計と学校法人会計実務との違いについての別の例も紹介していきます!

わかちの生い立ち(3)

わかちです!

前回に引き続き、私のこれまでの道のりについて書いていこうと思います。

前回は中学生編だったので、今回は高校生編(前半)です。

 

中学校までの普通教科中心の勉強は面白くないと感じた私ですが、

それを吠えているだけでは何も変わりません。

そこで私は、通っていた中高一貫校の後期課程(高校)への進級をやめ、高校受験をすることにしたのです。

「これからはどんどんと情報化社会になる。ネットワークやプログラミングの知識を身に着けてそれを仕事や日々の生活で活かすんだ」との思いから、普通科・商業科とともに情報ビジネス科を併設していた宇和島東高校を受験し、入学することになりました。

こうして中高一貫校の前期課程修了→高校受験→別の高校の情報ビジネス科(商業科)へ進学」という、かなり珍しい進路をたどることになりました。

 

高校に入学した私は、燃えていました。

「英語や数学なんてつまらない教科じゃなく、もっと実践的で役に立つ教科の勉強ができるんだ」と目を輝かせていました。

ところが、私が進んだ学科は「情報ビジネス科」という名称ですが、実はこれは「商業科」の一種です。

「普通の商業科よりも情報処理系の授業が多めの商業科」といったイメージで間違いはないと思います。

「情報ビジネス」といった名称とは裏腹に、1年生の頃は簿記の授業がたくさんあるようなカリキュラムでした。

それを知ったとき、はじめはがっかりしました。「俺はプログラミングがしたいのに、それができるのは2年生からなのか…」と思いました。

しかも、同じ宇和島東高校の商業科出身である父親から、「簿記なんて学んでも面白くないぞ」という話を聞いていたため、「やっぱり商業系じゃなくて工業系の情報科を選ぶべきだったかな」と少し後悔しました。

 

しかし、それは杞憂でした。

高校に入って初めて学んだ簿記は、意外に面白かったのです。

 

そこには、「ただし、摩擦はないものとする」というような、普通教科の勉強にありがちな、現実からかけ離してしまう文言がない世界でした。

むしろ、「現金の帳簿有高と実際残高がズレていたらどうすればよいのか」→(現金過不足)

「ツケを踏み倒されたらどうすればよいのか」→(貸倒引当金

という、不測の事態にも備えられるような、非常に現実的な世界が広がっていました。

 

財産法で計算した当期純利益と、損益法で計算した当期純利益は必ず一致する」

…なんて美しい学問なんだと思いました。

「企業は普段、商品の仕入れる際に現金を逐一払うことはあまりなく、掛け取引のほうがほとんどである」

衝撃でした。俺はこんな常識的なことも知らずに生きてきたのか、と感じました。

「小切手や約束手形の振出・有価証券の購入や売却・借用証書による貸付や借入」

…自分はまだ高校1年生なのに、いっぱしのビジネスマンの勉強をしているようで何とも言えない嬉しさがありました。

 

もともと公民系が得意だったためか、簿記との相性は非常に良く、あっという間にその魅力の虜になりました。

そして、自分の苦手な英語や数学が教科の中心だった中学とは違い、商業高校では自分の好きな簿記が教科の中心でした。

簿記という新たな武器を手に入れた私は、水を得た魚のようでした。

簿記の勉強をすることにより身に着けた考え方や勉強法、ミスをなくす技術や集中力などは、明らかに他の教科の勉強にも影響し、正の転移を与えていました。

こうして、情報系の勉強をするために進んだ商業科で簿記と出会い、その魅力にハマったのは偶然ではありますが、うれしい誤算でした。

授業もロクに聞かず、宿題の提出もままならなかった中学生時代の自分は別人であったかのように、学習に対して非常に真面目に取り組むようになりました。

成長した私は、模試でも、もともと通っていた中高一貫校の同級生のトップ層にも引けを取らない成績を収めるようになっていました。

高校入学当初、大学進学をするつもりはありませんでしたが、次第に、「この面白い商業の勉強を大学に入っても続けたい!」と思うようになりました。

 

さて、今回の記事はここまでです!

次回、わかちの高校生編(後半)を書いていこうと思います!

 

 

わかちの生い立ち(2)

わかちです!

前回は、主に私の小学生ごろまでの話を書きましたので、その続きを。

 

さて、小学校4年生から続けた野球も6年生の最後の大会が終わって卒業し、中学校に進学するまであと半年となったころです。

都市部の小学生は、いわゆる「中学受験」をして私立中高一貫校に入るパターンもメジャーですが、

超絶田舎町で育った私はそんなことも知らず、普通に公立の中学校に進学するんだろうな、と思っていました。

 

ところが、汽車(電車じゃないんです。ディーゼルエンジンで動くんですよ)で乗っていける範囲のところに、県立の中高一貫校が設立されているという話を耳にしました。

小学校教員をしている母親は、その中高一貫校を受けてみないか?と私に勧めました

私は、「受験するつもりはない」と母に言いました。授業の進度も大学受験に備えて早いスピードで進むという話も聞いていましたし、小学校の友人たちと離れて学校生活を送るのも不安がありました。

しかし、母親は受験したほうが良いと強く勧めました。

結局、小学校で一番仲の良かった友人もその一貫校を受験するということが決め手になり、特に将来的なビジョンもないまま何となく受験し、その学校に入学することになりました。

 

しかし、この中学入学後に大きな問題が発生します。

小学校まではあまり苦労することのなかった勉強が、だんだんとついていけなくなってきたのです。

最初に躓いたのは英語。1年生1学期の中間考査で平均点を下回って以降、中学校3年間の定期考査で1度も平均点を上回ることがなかったと記憶しています。

小学校の時はテストのための勉強をしたことがありません。塾にも通っていませんでした。それでも、当時かなりの読書量を誇っていたため、国語・社会・理科などはほとんど学校の授業を受ける前に、何らかの本で読んでいたため理解できたのです。

ところが、中学校に入って初めて習う英語ではそうはいきませんでした。いくら読書をしても、英語の成績を上げることには関係がありません。だって、普段読む本はすべて日本語で書かれているのですから。

加えて、一貫校に通うクラスメイト達は、いわゆる「ええとこ」の家庭出身の子も多く、塾や英会話教室に小学生の時から通っていました。彼らにとって学校の授業は事前に勉強している内容だったのです。

努力不足の私と、成績面で差がつくのも当然でした。

こうして、学習面での挫折を味わった私は、「小さいころから塾や英会話教室に通っている子たちに勝てるはずがない」と、無力感を味わうようになりました。

特に、最近の中学英語は会話やコミュニケーション重視で、文法や構文をしっかりと説明しないことも多いため、「何が分かっていないのか分からない」状態になり、さらにやる気がそがれていきました。

(私がいわゆる「アクティブ・ラーニング」的な授業に懐疑的・慎重なのはこの時の経験も一因となっています。このテーマについては後日また詳しく書きます)

 

中学校2年生ごろからは、数学についてもだんだんと成績が下がるようになってきました。

数学も英語同様に、読書量や(日本語での)語彙・知識量があまり成績とリンクしないためです。机の上でしっかりと勉強する必要があったのです。

 

さらに中学校3年生になると、定期考査で苦手な数学・英語が2科目になるなど、当時の私にとって「不利」な傾斜配点を課されているようになりました。

通っている学校に対する不信感のようなものがだんだんと溜まっていくようになりました。

(もちろん、当時の学校・先生方に責任はありません。当時の学校のシステムが私にとって相性が悪かっただけの話です。)

もはや、英語や数学を中心とする学校の勉強は面白くないものに変わっていました

 

そんな中でも楽しかったのは体育や技術・家庭科などのいわゆる「実技教科」でした。

英語や数学と違い、実技教科は塾に通って学ぶ子もほとんどいないため、私にとっては同じ土俵で戦える、公平な教科だったのです。

加えて、技術・家庭科などは受験のための英語や数学に比べてより実践的で、生活を営む上で非常に役に立つ教科だと感じていました。

 

中学校3年生の2学期ごろ、学校から「このまま同じ学校の後期課程(高校)」に進むかどうかの進路希望調査の紙が配られました。

私はその時、非常に迷いましたが、「後期課程への進級を希望しない」に〇をつけ、提出をしました

別の高校を受験し、普通教科中心のつまらない勉強ではなく、もっと実践的で役に立つ勉強がしたい、と考えたのです。

担任の先生は驚いてましたが、家族会議・担任面談・学年主任面談・教頭面談などを経て、結局、高校受験をすることに決定しました。

 

さて、この「中高一貫校から高校受験をする」という経験が、また私の人生を大きく変える分岐点となります。

この後の高校編以降についてはまた次回書くことにします。

 

わかちの生い立ち(1)

わかちです!

今回からは、「わかちの生い立ち」(韻を踏んでて語呂が良い笑)ということで、記事数回にわたって私のこれまでの人生を振り返ってみることで、自己紹介に代えさせていただきます。

 

私が生まれたのは1994年。世の中を暗ーい雰囲気にした、阪神淡路大震災地下鉄サリン事件が起こる少し前に生まれました。

愛媛県南予地方*1で生まれ育ちました。

一口に「田舎」といってもその度合いは様々ですが、私が生まれ育った家は超絶田舎

電車はなく、ディーゼルエンジンで動く列車の最寄り駅からも家が4キロ離れていました。

(数年前までは最寄りのセブンイレブンまで100キロ以上も離れているというギャグみたいな状態でした。笑)

家の目の前は海で、家の裏山はみかん畑。

父親は学校事務職員・母親は小学校教員をしていたため多忙で、みかん農家を営む祖父母に面倒を見てもらいながら少年時代を過ごしました。

やることといえば、みかん畑の手伝いか魚釣りくらいしかありません。

 

私はあまり話す言葉になまりがなく、眼鏡をかけていて細身なので、

「都会の出身で小さい頃は塾で勉強して過ごしたんでしょう?」なんて言われることも多いのですが、

全く逆で、完全に田舎者丸出しです。

少年時代、学校に行く以外にやったことといえば、みかん取りか、魚釣りか、野球くらいのものです。

地域的にも田舎でしたし、育った家も珍しいくらい古い感覚が残っていたので、

正月は親戚が大集合し、杵と臼で餅つきをするような家庭環境でした。(昨年はたまたまできなかったですが、今でもほぼ毎年やっています。餅つき。

 

ただ、私自身は本を読むことと、パソコンやインターネットを使うことは好きだったので、

田舎に住んでいても、社会のいろいろなことに興味をもって知識を得ることは子供の頃からずっとしていたように思います。

私が小学4年生の頃には小泉政権下でいわゆる「郵政選挙」が行われるのですが、政治に興味を持ち始めたのはそのころからだったと記憶しています。

また、野球も好きで当時は巨人戦をよく見ていたものです。

そのため、

テレビ中継で尻切れトンボになってしまった巨人戦の結果を知るため

選挙の情勢や結果分析を見るため

に、食い入るように新聞を見ていました。

今思えば、小学生にしてすでにオッサンみたいな嗜好だったんですね。

 

さて、そんなオッサンわかちが中学校に進学しようというときに、人生の分岐点となる出来事が起こるのですが…

続きはまた次回の記事で書くことにします。

*1:愛媛県東予中予南予の3つの地域に分かれています(「予」の字は旧国名の「伊予」から来ています)。南予は文字通り一番南の方です

ブログ始めました

初めまして!

わかち先生のブログへようこそ。

このブログでは、愛媛で高校商業の教員をしているわたくし、わかちが、

これまでの人生で得られた経験・知識や、

日々感じていること、思っていることをとりとめもなく書いていきます。

 

ブログを書くのは高校生の時以来です。

以下のようなテーマをメインしようと考えています。

 

教育論(一般)に関して

商業教育について

経理、事務仕事について

政治、経済について

趣味(クイズ・麻雀・スポーツなど)について

・その他

 

とりとめもなく、とは言ったものの、あまりにもばらばら、ぐじゃぐじゃ書いても仕方がないので、

後から自分が見直してもわかりやすいよう、できるだけ体系的に書くことも一つの目標です。

最近の若者は、インスタグラム等のSNSで出来事や考えをまとめて公開することが多いんですが、

言語で体系的に知識や持論をまとめるのはやっぱりブログのほうが便利だ、と思い開設に至りました。

(ちなみに、私も一応最近の若者の部類に入るはずなのですが、インスタは生まれてこの方アカウントを持ったことがありません😢)

 

なにかこのブログの中から、共感してもらえるところがあったり、

勇気づけられる人が出てきたり、使える技術・知識や考え方が得られたりすると嬉しいです。

宜しくお願いします!